一般的に交通事故は物損事故と人身事故の二つに分けられます。大まかに分けると、負傷者が出た事故を人身事故、負傷者が出なかった事故を物損事故として扱います。例えば、車体に凹みや傷が付く程度の軽度なものから横転し潰れた廃車事故まで、負傷者が出なかった事故は全て物損事故として処理されます。また車だけでなく、電柱やガードレールなどが衝突によって壊れた場合も物損事故と扱われます。物損事故は人身事故と比べると被害も少なく、事故が起こった後の対応についても簡略化されがちです。
物損事故と人身事故の大きな違いは、加害者の責任と被害者が受け取れる保険金の金額です。もしも負傷していた場合には、慰謝料などいくつかの損害賠償が加わることとなります。ですが、物損事故の場合には人間にかかわる賠償金は一切請求できません。
もし怪我を負ったのに物損事故扱いになっているのであれば、早急に人身事故への切り替えが必要となるでしょう。一般的に交通事故が起きると警察を呼び、現場検証を行って交通事故の捜査を行います。被害者が怪我をしているのであれば救急車を呼び、その後は病院で診察を受けることになります。病院で治療を受けてその診断書があれば、警察は交通事故を物損事故から人身事故に切り替えることになります。
交通事故の当日は身体が緊張状態にあるため何事もない場合があります。後日になってから痛みが出てくることも往々にしてあります。病院で打撲等と診断され治療を受けることになれば、診断書を警察に提出することで人身事故に切り替えられます。
怪我は目に見えるものだけではなく、実際には神経などに傷がついている可能性もあります。物損事故として処理されてしまうと、その後の治療費の請求が難しくなります。ですが、人身事故に切り替わるのであれば請求できる金額も変わってきます。もしも物損事故と処理されていたとしても、身体に痛みなどの異常を感じた場合は必ず病院で診断を受けましょう。
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