産後の肥立ちが悪い?甲状腺が原因かもしれません【武蔵境北口整骨院】

投稿日: #健康コラム

甲状腺は、のどぼとけの少し下にある長さ4~5センチ、幅2~3センチの臓器です。蝶が羽を広げたような形をしていて、ここから甲状腺ホルモンが分泌されています。
甲状腺ホルモンは、私たちの成長や発育に重要な働きをしています。さらには、エネルギー産生や体の代謝や循環系の調節も行っています。

甲状腺ホルモンが多すぎると、心拍数が多くなってドキドキと動機がしたり、暑がりになって発汗が多くなったりします。また、お腹が空いて沢山食べるのに痩せてきたり、血圧が高くなったり、排便回数が増えたり下痢になったりします。その他、イライラするという訴えも多いです。これらは新陳代謝が激しくなるために起きる症状です。
逆に甲状腺ホルモンの分泌が減ってしまうと、これと反対の症状が現れます。心拍数が少なくなったり、寒がりになったりします。食欲が減退しているのに太ってきたり、体温が低くなったり低血圧になったり便秘になったりします。また、物忘れが起きたり鬱のような感じになることもあります。これらの症状は、新陳代謝が鈍くなることで起きます。

「出産は病気ではない」とよく言われますが、妊娠前と妊娠中や出産後では、ホルモンの変動はジェットコースターのように大きく激変します。たった1年の間にこれだけ大きく変化することは、病気でもなかなか無いことです。

産後の肥立ちが悪く、上記のような体調不良がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
甲状腺の病気は、発見しにくい病気の一つです。それは、会社の健康診断や一般的な人間ドックでは、甲状腺は調べないことが多いからです。
基本的な健康診断の検査項目には、おそらくFT4(遊離サイロキシン)やFT3(遊離トリヨードサイロニン)、TSH、TRAb(TSH受容体抗体)、抗Tg抗体、抗TPO抗体などと言った項目は存在しないでしょう。レディースドックでも、これらの項目まで調べる検査機関や医療機関は少ないです。
しかし、甲状腺疾患は女性に圧倒的に多く、患者さんの8割は女性です。甲状腺機能低下症の原因で一番多い橋本病は、女性の10人に1人に見られると言われています。
また、思春期や妊娠や出産や更年期などで、ホルモンのバランスが大きく変動するときに発症しやすいという特徴もあります。20歳代から40歳代に多いことも特徴です。

気になる症状がある人は、医療機関を受診しましょう。内分泌科がベターですが、まずはかかりつけ医に相談し、内分泌科のある病院や専門医を紹介してもらうと良いでしょう。採血で上記のFT3やFT4やTSHを調べるくらいなら、近所の治療院でも可能です。

甲状腺ホルモンは全身に働くので、様々な症状が現れます。そのため、加齢現象によるものやうつ病などと間違われることも時々あります。甲状腺の病気の症状も知っておき、気になる症状があれば、甲状腺も調べてもらいましょう。